初めて生で見た濵田崇裕さんが榎木田歩で幸せだった

 

 

 

 

 

盗聴を観劇してからもう2週間近く経っているにも関わらず絶賛ロスが続いている、と言うより、もはや永遠に頭の片隅に残り続けるような気がしたので、自分の感情を整理する意味も兼ねてつらつらと感想などを書き留めておきたい。
座長からネタバレ解禁の許可も出た所なので。
おそらく観劇された方しか分からないだろうし、そもそも他人に読ませるようなものでもないと思うので、それでも良い方のみお付き合い頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

今年9月にジャニーズWESTのFCに入会したばかりで、グローブ座に行くのはおろか、ジャニーズの舞台に行くのも今回が初めてでした。
入会した時にはもうFC先行受付は終わっていて、一般も見切れも取れず、諦めようと思いましたがどうしても諦めきれず、足搔きまくった結果1回だけですがキャンセル待ちで入ることが出来ました。
そのたった1回を心の底から楽しめたのは、観劇された方々がネタバレ禁止を厳守してくれたからだと思っています。
濵田くん本人のお人柄のおかげなのかな。素敵なファンが多いんだなと思いました。

 

グローブ座、あんなに小さな劇場だと思っていなくて。
あとからキャパ調べてびっくりしたんですけど、1000人も入らないんですね…そりゃチケット取れない…
あの規模の劇場だからこそ伝わることもあるんだろうなと想いつつ、もっと大きな会場で、たくさんの人に届いて欲しい作品だなとも思いました。
ジャニーズとか関係なく見て欲しいって思った人が何人か頭に浮かんだので。
円盤化を切に願っています。

 

濵田くんと榎木田、似ていたと言うか、当て書きだったのかなと思ってしまったくらい。関西弁かそうじゃないか、社長かアイドルか、途中までそんな差異しか感じられないくらい、榎木田の中に「濵田くんらしさ」みたいなものがたくさん詰まっていたと思う。
だからこそ後半、濵田崇裕と榎木田歩がどんどん乖離していって感情が置いてけぼりになったし、ラストはあまりにもやるせなくて放心してしまった。
どうにかならなかったのかなと悔しさすら感じる。でも、榎木田歩が榎木田歩として生まれた時点で、どうしようもなかったんだろうなと納得出来てしまうのも苦しい。

榎木田が性善説を信じていた(信じたかった)のもそう言ったところに理由があったのかな。
片親で、姉が自殺して、母親も亡くなって、自身の人生を振り返った時「生まれなければ良かった」と思ったことが、あったのかもしれない。
だからこそ、そんな自分でも「生きていても良い」って思いたくて、性善説を信じたかったのかな。
ずっとそんな綱渡りみたいな人生だったんじゃないか。むしろ、もうずっと前から、それこそ母親が亡くなった時から、榎木田の心は壊れていたのかもしれない。
そんなボロボロな自分に蓋をして、笑って誤魔化して生きてきたのかな。


睦実ちゃんに「どうしてこんな事したんですか」と聞かれて「こんな事ってどれ?一杯悪い事しちゃったからどれの事か分かんないや」と言った榎木田が笑うの、確かに殺人犯としてサイコパスな感じもあったんだけど、そうやって笑顔で誤魔化すことに慣れている人なのかなとも感じた。

 

何が辛いって、榎木田と出会って人生が好転したであろう健吉や睦実ちゃんの声が、最後の榎木田には届かなかった事。
榎木田を善人と思っていた二人を裏切った自分がこのまま生きる事、榎木田自身は耐えられなかったのかもしれないけど、生きていたらやり直せたかもしれないのにと、綺麗事を思ってしまった。


だって榎木田、健吉と睦実ちゃんが自分を疑っていない事を信じていたんですよ。
それは「二人なら騙せる」と高を括っていたともとれるけど、一緒に仕事をして二人の有能さは分かっているはずで、それでも「二人は自分を疑っていない」と信じたのは、間違いなく二人への信頼と、二人から自分は信頼されていると言う自負があったからだと思う。
もし榎木田があのまま生きていたら、きっとやり直す為の道を一緒に歩んでくれたのではないかと思うので、それを全部手放してアクセルを踏み込んだ彼が、苦しくて悔しくて許せなかった。

何より、雨空の下で最期に向かって車を走らせながら口ずさむ翼をくださいが、あまりにも悲しくて綺麗だったから。許したくなかった。皆置いてけぼりにして、一人だけ綺麗に終わるのかよって。
涙は堪えたけど、マスクの下で唇を噛み締めた。

 

明かりのついた舞台上で微笑んで頭を下げる濵田くんは、画面越しで見た事のある濵田くんでしかなくて、だからこそ「あぁ、榎木田は本当に死んだんだ」と痛烈に感じたと言うか。榎木田がもうどこにもいないみたいで、いっそう苦しくなってしまった。
心臓を掴まれたまま離してもらえないみたいな感覚を抱いたまま、とぼとぼ帰りました。

 

 

 

 

ジャニーズWESTにハマる前も舞台観劇は好きでちょこちょこ見に行ってはいたのですが、ストーリーだけで言うと5本の指に入るくらい好きです。
登場人物にフォーカスを絞ると、榎木田歩と言う人は1、2を争うくらい好きです。
舞台の主人公としてあまりにも魅力的なので、色んな人(それこそ歴代元推しとか)に演じて欲しいなと思うと同時に、「あれはどう考えても濵田くんにしかできない」とも思うのですごく不思議。もしかすると、別の人が演じた榎木田を見て「やっぱり濵田くんの榎木田が原点で頂点だった」って打ちのめされたいのかもしれない。

 

今まで色んな役と出会い、この先もたくさんの役と出会うであろう濵田くん。きっと榎木田歩と言う役も、彼の人生の中で出会った一役として通り過ぎて行くのかもしれないけど、私の中にはずっとずっと残り続けるのだと思う。

 

初めて見た濵田くんが、榎木田歩として生きていたこと、ずっと忘れたくない。そんな風に思える舞台に出会えたこと、心の底から幸せでした。

 

 

 

 

 

※今でも全然引き摺っているし魂は戻って来ていないしMixed Juiceのライブ本編はまだ見れていない